実家の片付け・遺品整理の費用相場と業者の選び方
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実家の片付けは、思っていた以上に物が多く、家族だけでは終わらないこともよくあります。特に実家が遠方にある場合、何度も通うのは大きな負担です。そこで業者に頼むことを考えますが、「費用はいくらかかるのか」「どの業者なら安心できるのか」が分からず、迷う人も多いと思います。
この記事では、片付け・遺品整理の費用がどう決まるのかと、業者を選ぶときに確認したいことを整理します。国民生活センターには、遺品整理や不用品回収をめぐる料金トラブルの相談が寄せられています。トラブルを避けるためのポイントもあわせて紹介します。
片付け・遺品整理の費用は「相場」より「内訳」で比べる
片付けや遺品整理の費用には、公的な機関がまとめた全国共通の相場は見当たりません。国民生活センターも、遺品整理サービスの作業内容や料金は様々だとしています。そのため、この記事では一律の金額は示しません。
同じ家でも、業者によって作業の範囲や料金の決め方が違うため、金額だけを比べると判断を誤りやすくなります。大切なのは、同じ条件で複数の業者から見積もりを取り、内訳を比べること です。
費用が変わる主な要素
見積もりの金額は、主に次のような要素で変わります。
| 要素 | 費用への影響 |
|---|---|
| 物の量 | 量が多いほど、作業の人数・時間・運ぶ車の台数が増える |
| 家の広さ・間取り | 部屋数が多い、2階建てなど |
| 作業のしやすさ | 階段しかない、道が狭くトラックが家の前に止められない など |
| 処分する物の種類 | 家電や大型家具など、処分に費用や手続きがかかる物が多いか |
| 仕分けの手間 | 残す物・形見を探しながら作業するか、まとめて処分するか |
| 買い取れる物があるか | 買い取ってもらえる物があれば、その分を差し引くこともある |
| 追加の作業 | 清掃、庭木の手入れ、供養(お焚き上げなど)を頼むか |
費用を抑えるために自分でできること
- 残す物を先に決めておく:形見や大切な書類を家族で先に選んでおくと、業者の仕分け作業が少なくなります
- 市区町村のごみ収集を使う:時間に余裕があれば、ふだんのごみや粗大ごみとして少しずつ出していく
- 売れる物は先に売る:着物や骨董品などは、片付けの前に査定してもらうと、処分する量を減らせることがあります
業者を選ぶときに確認したいこと
一般廃棄物処理業の許可(または市区町村の委託)
家庭から出る不用品は「一般廃棄物」で、処分は市区町村の役割です。法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)では、一般廃棄物の収集や運搬を仕事として行うには、市区町村長の許可が必要です。
国民生活センターは、遺品や住まいの不用品を廃棄物として収集・運搬する業者は、市町村からの委託業者か、市町村長から「一般廃棄物処理業の許可」を受けている必要があるとしています。また、無許可の業者による処分は法律違反で、不法投棄などにつながりかねないと注意を呼びかけています。
業者が許可を持っているかどうかは、実家がある市区町村のホームページや窓口で確認できる場合があります。国民生活センターによると、産業廃棄物の処理業の許可しか持たない業者は、家庭の不用品(一般廃棄物)を扱えない場合があります。広告が大きく出ているかどうかでは判断できないため、許可の種類まで確認してください。
見積もりのときには、不用品を誰が運び、どこで処分するのか を聞いておくと安心です。
買い取りをするなら古物商の許可
片付けのときに、家具や骨董品などを買い取ってもらうこともあります。中古品の買い取りを仕事として行うには、都道府県の公安委員会から古物商の許可を受ける必要があります(古物営業法第3条)。国民生活センターも、遺品を買い取ってもらう際には「古物商許可証」などを確認するよう呼びかけています。
家電4品目は扱いが違う
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目は家電リサイクル法の対象で、ふだんのごみとしては出せません。国民生活センターによると、処分だけをする場合は、その製品を購入した販売店に引き取りを依頼します。業者に頼む場合も、これらの家電をどう処分するのか、リサイクルの費用がかかるのかを確認してください。
見積もりで確認したいこと
国民生活センターの助言をもとに、見積もりと契約のときに確認したいことをまとめました。
| 確認すること | 内容 |
|---|---|
| 複数の業者から見積もりを取ったか | 作業内容や料金は業者によって違うため、必ず比べる |
| 見積書をもらったか | 口頭や電話の概算だけで決めず、書面で受け取る |
| 作業内容が具体的か | どの部屋の、どの物を、どこまで片付けるのか |
| 料金の明細があるか | 作業費・処分費・運搬費・オプションなどの内訳 |
| 追加料金がかかる場合 | どんなときに、いくら追加になるのか |
| 作業日・支払方法 | いつ作業し、いつ・どう払うのか |
| キャンセル料 | いつまでなら、いくらで取り消せるのか |
国民生活センターには、「電話では20万円ぐらいと聞いていたのに、作業後に30万円と言われた。見積書はもらっていない」という相談が寄せられています。こうしたトラブルを避けるためにも、見積書を書面で受け取り、追加料金の条件まで確認してから契約してください。
見積もりと違う高額な請求をされたら
国民生活センターは、事前の見積もりと違う高額な料金を請求された場合は、支払いを断るよう助言しています。また、見積もりのために呼んだ業者とその場で契約した場合などは、特定商取引法のクーリング・オフが使える可能性があるとしています。困ったときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、身近な消費生活センターを案内してもらえます。
大切な物を誤って処分されないために
国民生活センターには、「大切な書類などは残しておく約束だったのに、アルバムなどまで処分された。業者に伝えたが、すでにごみ処理場に運んでいて取り戻せないと言われた」という相談も寄せられています。
- 残す物と処分する物をはっきり分けておく:残す物は1つの部屋にまとめる、目印を付けるなど
- 作業にはできるだけ立ち会う:国民生活センターも、作業時はできるだけ立ち会うよう助言しています
- 探している物を伝えておく:通帳・権利証・保険証券・契約書・印鑑など、手続きに必要な書類は、作業前に業者にも伝えておく
相続の手続きに必要な書類は、片付けの前に探しておくと安心です。実家じまい全体の順番は、実家じまいの進め方:やることリストと順番で整理しています。
実家が遠方で立ち会えない場合
実家が遠方にあり、何度も現地に行けない場合は、次のように工夫すると負担を減らしながらトラブルを防ぎやすくなります。
- 最初の見積もりと、作業の開始・終了には立ち会う:すべての日に行けなくても、大事な場面だけは現地で確認する
- 残す物を先に自分で持ち帰るか、まとめておく:形見や書類を先に確保しておけば、作業に立ち会えなくても誤って処分されるリスクを減らせる
- 作業内容と完了の確認方法を契約前に決めておく:作業の前後の写真を送ってもらうなど、どう確認するかを見積もりの段階で相談する
- 実家がある市区町村で、業者の許可を確認する:一般廃棄物処理業の許可は市区町村ごとなので、自分の住む地域ではなく、実家がある地域で確認する
まとめ
- 片付け・遺品整理の費用に、公的な全国共通の相場は見当たらない。複数の業者から見積もりを取り、内訳で比べる
- 不用品を運ぶ業者は、市区町村の委託業者か、一般廃棄物処理業の許可を受けている必要がある
- 買い取りを頼むなら、古物商の許可を確認する
- 見積書は書面で受け取り、作業内容・追加料金・キャンセル料まで確認する
- 残す物と処分する物を分け、作業にはできるだけ立ち会う。困ったら消費者ホットライン「188」へ
片付けが終わったら、次は家をどうするかです。売る場合の流れは相続した実家を売る流れと必要な書類、売り方の違いは古い実家を売る方法:仲介と買取の違いで整理しています。