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実家じまいの進め方:やることリストと順番

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制度に関する情報は 時点で公式サイトを確認しています。最新の内容は記事末の出典でご確認ください。

実家じまいは、家の片付け・売却や解体・お墓のことまで、やることが多く、何から手をつければいいのか迷いやすい作業です。しかも、相続にかかわる手続きには期限があるものがあり、「片付けが終わってから考えよう」と後回しにすると、間に合わなくなるおそれがあります。

この記事では、実家じまいの全体の流れをやることリストにして、どの順番で進めればよいかを整理しました。まず「期限のある手続き」を確認し、そのうえで家とお墓をどうするかを決めていく、という順番がおすすめです。

実家じまいの全体の流れ

実家じまいは、大きく次の順番で進みます。

  1. 家族で話し合い、誰が中心になって進めるかを決める
  2. 期限のある手続きと、家の名義を確認する
  3. 家をどうするか(売る・解体する・残す)の方針を決める
  4. 家の中を片付ける
  5. 売却・解体・管理などを実行する
  6. 必要なら、お墓をどうするかを決める(墓じまい)

3〜5は、選ぶ方針によって順番が入れ替わることがあります。たとえば、家財を残したままでも引き取ってもらえる売り方を選ぶなら、片付けを最小限にできる場合があります。どの方針にするかを先に決めておくと、片付けの範囲や費用を無駄にしにくくなります。

ステップ1:家族で話し合い、進め役を決める

実家じまいは、一人で決めてしまうと、あとで兄弟姉妹などともめる原因になります。最初に、関係する家族で次のことを共有しておきます。

  • 実家の名義は誰か(親か、すでに相続したのか)
  • 誰が中心になって手続きや業者とのやりとりを進めるか
  • 費用を誰がどう負担するか
  • 家や家財のなかで、残したいもの・引き継ぎたいものはあるか

実家が遠方にある場合は、何回くらい現地に行けるかも、方針を決めるうえで大切な条件になります。

ステップ2:期限のある手続きを確認する

親が亡くなって実家を相続する場合、相続にかかわる手続きには法律で期限が決められているものがあります。家の片付けより先に、まず次の表で確認してください。

手続き 期限 対象になる人・場合 窓口
相続放棄 自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内 借金が多いなど、相続そのものをしないと決めた人 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所
準確定申告 相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内 亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得について、申告が必要な場合の相続人(前年分の確定申告をしないまま亡くなった場合も対象) 税務署
相続税の申告・納税 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内 相続した財産の合計が基礎控除額を超える場合 税務署
相続登記 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内 実家などの不動産を相続した人 法務局

それぞれのポイントは次のとおりです。

  • 相続放棄:3か月以内に財産を調べても決められない場合は、家庭裁判所に期間を延ばす申立てができます。相続放棄をすると、民法により、その相続について初めから相続人でなかったものとみなされます。実家だけでなく預金なども相続しないことになるため、迷う場合は早めに専門家へ相談してください。
  • 相続税:申告が必要かどうかの目安になる基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。財産の合計がこの範囲内なら、申告も納税も不要です。
  • 相続登記:2024年4月1日から義務になりました。それより前に相続した不動産も対象で、その場合は2027年3月31日までに登記する必要があります。正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記の手順と必要な書類は、相続した実家を売る流れと必要な書類で詳しくまとめています。

売るなら知っておきたい期限

亡くなった親が一人で住んでいた家を相続して売る場合、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円(2024年1月1日以後の売却で、相続人が3人以上の場合は最高2,000万円)を差し引ける特例があります。この特例には、次の期限があります。

  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 特例の対象となる売却は2027年12月31日までであること

ほかにも建てられた時期などの条件があるため、売るかどうか迷っている段階でも、記事末の出典(国税庁)で早めに確認しておくと判断の材料になります。

ステップ3:家をどうするか方針を決める

次に、実家をどうするかの方針を決めます。主な選択肢は次の3つです。

方針 内容 考えておきたいこと
売る 不動産会社を通じて売る、または買い取ってもらう 売り方によって、価格や売れるまでの期間、片付けの範囲が変わる
解体する 建物を壊して土地として売る・活用する 解体費用が先にかかる。更地にしたあとの税金も確認が必要
残す 自分や家族が住む、貸す、管理しながら持ち続ける 固定資産税や修繕、定期的な管理の手間がかかり続ける

どれが正解というものはありません。家の状態、立地、家族の事情、かけられる時間と費用によって向き・不向きが変わります。それぞれの進め方は、売る、解体と残すの記事で順に紹介していきます。

空き家のまま放置しないために

方針が決まらないまま空き家にしておくと、管理の負担が続くだけでなく、税金の面でも不利になる場合があります。

2023年12月13日に施行された改正空家法では、放置すれば危険な状態(特定空家等)になるおそれがある空き家を、市区町村が「管理不全空家等」として指導・勧告できるようになりました。勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例(住宅が建っている土地の税金を軽くするしくみ)の対象から外れます。

すぐに方針を決められない場合でも、換気や郵便物の確認、庭木の手入れなど、最低限の管理は続けておくことが大切です。

ステップ4:家の中を片付ける

方針が決まったら、家の中を片付けます。

  • 通帳・権利証・保険証券・契約書など、手続きに必要な書類を最初に探して分けておく
  • 形見として残したいものは、家族で相談してから仕分ける
  • 量が多い場合や遠方で通えない場合は、遺品整理や不用品回収の業者に依頼することも考える

業者に頼む場合は、複数の業者から見積もりを取り、作業の範囲と料金の内訳を比べてから決めるのがおすすめです。片付けの進め方や業者の選び方は、片付けるの記事で紹介していきます。

ステップ5:売却・解体・管理を実行する

方針にそって、売却・解体・管理を進めます。

  • 売る場合:査定を複数の会社に頼み、仲介や買取などの売り方を比べて選ぶ
  • 解体する場合:解体業者の見積もりを比べ、自治体に補助制度がないかも確認する
  • 残す場合:修繕や管理の計画を立て、誰がどのくらいの頻度で見に行くかを決める

いずれの場合も、売却や解体の前に相続登記を済ませておく必要があるかどうかを、依頼する会社に確認しておくと手続きがスムーズです。

ステップ6:お墓をどうするか決める

実家の近くにお墓があり、今後お参りや管理を続けるのが難しい場合は、墓じまい(お墓を片付けて、遺骨を別の場所に移すこと)を考えることになります。

お墓から遺骨を別の墓地や納骨堂へ移すには、法律(墓地、埋葬等に関する法律)にもとづき、遺骨のある場所の市区町村長の許可(改葬許可)が必要です。お寺や霊園との話し合いも必要になるため、家の片付けと並行して早めに相談を始めておくと安心です。詳しい流れは、墓じまいの記事で紹介していきます。

まとめ

実家じまいは、次の順番で進めると、期限のある手続きを見落としにくくなります。

  • まず家族で話し合い、進め役と費用の分担を決める
  • 相続放棄(3か月)・準確定申告(4か月)・相続税(10か月)・相続登記(3年)の期限を確認する
  • 売る・解体する・残すの方針を決めてから、片付けの範囲を決める
  • 空き家のまま放置せず、方針が決まるまでは最低限の管理を続ける
  • お墓のことは、家の片付けと並行して早めに相談を始める

期限や条件は、個別の事情によって変わることがあります。判断に迷う場合は、記事末の出典で最新の情報を確認し、家庭裁判所・税務署・法務局などの窓口や、司法書士・税理士などの専門家に相談してください。

出典・参考